アリゾナというと、デザート(砂漠)とサボテンというイメージがある。それにぴったりの町がフェニックスPhoenixに次ぐアリゾナ第2の都市、ツーソンTucsonだ。現在は高層ビルも少し立ち並ぶが、それでもスペイン文化を色濃く残した町である。このツーソン周辺には数多くの観光スポットがある。
「オールド・ツーソン」は西部劇のテーマパークだが、もともとは映画『アリゾナ』の撮影用に1939年に建てられたセットだった。「アリゾナ・ソノーラ・デザート・ミュージアム」はその名の通り、砂漠に生息する珍しい動植物を見ることができる。「ピマ航空博物館」は第二次世界大戦の戦闘機から最新のジェット機、ケネディが愛用した大統領専用機など200機近い航空機を見ることができる。「サンザビエル・ミッション」は1788年にインディアン居留地内に建てられた教会で、その優美な景観は観光客にとても人気がある。「コロッサル洞窟」はアメリカ最大級の鍾乳洞であり、ここに大量の金貨を隠したという伝説がいまだに言われている。
ここまではツーソンを訪れた観光客ならば誰もが訪ねるが、ここツーソン近郊にはもう一ヶ所訪ねる価値がある場所がある。それがツームストーンTombstoneだ。ツーソンからフリーウェイに乗って1時間余のところにツームストーンは、現在でも19世紀後半の街並みがそっくり残り、まるで西部劇の世界に迷い込んだかのような雰囲気になる。そして、ここでは毎日有名な「OK牧場の決闘」シーンが街中で上演されている。
ツームストーンは1800年代後半に銀鉱山の町として栄え、最盛期の1880年頃にはツーソンよりも大きく有名な町で、各地から一獲千金を求めた男たちとそれに群がる女たちで栄えた。1881年10月26日、保安官ワイアット・アープ兄弟3人&ドグ・ホリディは、町の外れにあった一時的に馬などを入れておく囲い(牧場という和訳は明らかに誤訳)で、ならず者のクラントン一家と銃撃戦を行い勝利する。この決闘の原因は政治的対立だったり、女性関係のトラブルだったり、闇取引のいざこざだったりと双方の鬱積した結果だったらしい。
アメリカ西部にはこのツームストーンのように、19世紀の町並みが残っているところは数多くあるが、ツームストーンのように木造建物ばかりで、まるで西部劇のセットような町並みの場所は数少ない。そして、そこで実際に起きた出来事を再現してくれているのだから、ちょっと訪れる価値がある場所である。
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