プロ野球を見るのが好きです。メジャーリーグを見るのも大好きです。しかし、高校野球はほとんど見ません。昔は見ていましたが、今は全然といっていいほど見ません。理由は簡単です。今日の高校野球(甲子園大会)はスポーツのなかでもっともイビツなイベントになっているからです。
今日の高校野球、つまり甲子園で行われている全国高校野球選手権大会の実態は、端的に言えば「全国私立高校売名野球大会」であり、「大阪出身高校生野球大会」であり、朝日新聞とNHKによる「美談(お涙頂戴話)連発報道大会」でしかないからです。
まず最初の「全国私立高校売名野球大会」とは、出場校の校名を見れば明らかです。私立大学の付属高校、新興宗教関係の高校、進学校へのステップを図る高校、女子高から共学校へのアピールする高校と、出場校のほとんどは純粋に野球を楽しんでいる生徒の学校ではなく、背景に明らかに学校の目論みがある学校ばかりでです。今回の出場校でこうした背景がなさそうな学校は、群馬の前橋商、山梨の甲府商、福井の福井商、三重の宇治山田商、徳島の徳島商、山口の岩国、佐賀の佐賀北、熊本の八代東の8校しかありません。他の出場校はいわやる腹にイチモツどころかニモツをもった学校ばかりです。
次に「大阪出身高校生野球大会」とは、ご存知ように出場校の選手の約2割が大阪出身の高校生で占められています。つまり、甲子園に出場したいがために、地方の高校に「野球留学」しているのです。ひどい学校になるとレギュラー全員が大阪もしくは関西出身者で占められたりしてしまう。そして、彼らの多くは先日問題になった特待生制度で入学しているので、学費や寮費が免除になって、高校生の段階ですでにセミプロ化しているのです。
第三のNHKおよび朝日新聞による「美談(お涙頂戴話)連発報道大会」には辟易します。さすがに今年は特待生制度が問題になったから、選手個人を持ち上げる報道は少なくなりました。しかしながら、NHKは必要もないのに全試合を全国放送したり、朝日新聞は紙面を連日4頁も使って報道するなど、馬鹿まるだし状態です。こんなに報道するならば、なぜ高校野球の暗部を報道できないのか、と言いたい。
高校野球の指導者たちは、プロ野球、大学、用具メーカーなどから援助金という名のワイロをもらっていることは明白であり、また高校も甲子園に行くにあたって、多額の寄付金を募って最終的に潤っている。甲子園応援ツアーで大損をしたという話が今までであったでしょうか。
そもそも高校野球だけが、このように特権的に報道されることがおかしい。夏の甲子園が行なわれている同時期にインターハイが行なわれている。この大会は陸上競技、サッカーなど29競技も行われ、参加者は毎年3万人以上にのぼる。今年は佐賀県で開催されているが、いったいどれだけの人が、そのことを知っているでしょうか。
確かに高校野球は競技人口は多いし人気もある。それゆえに視聴者の興味が高いのも当然だろう。しかし、所詮高校生の大会である。プロではない。高校生スポーツはもっと平等に扱われるべきではないだろうか。このように偏った報道をするNHKおよび朝日新聞などの新聞社はかなり罪深くないでしょうか。
偏った価値観の上にあぐらをかいている高校野球。だから、私は見ません。
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