火曜日, 9月 28, 2021

柳家さん喬の芸は人間国宝の域にある

昨日(27日)は日本橋劇場で開かれた「さん喬十八番集成 極め付け長講三夜プラス一夜 追加第4夜」を聞きに行ってきた。演目と出演者は下記の通り。

柳亭左ん坊  「道具や」
柳家さん喬  「猫定」
 〜 仲入り 〜
柳家さん喬  「中村仲蔵」

開口一番は柳亭左ん坊(柳亭左龍の弟子=柳家さん喬の孫弟子)。前回の前座では「出来心」をゆっくり時間をかけて熱演したが、今回は与太郎噺の「道具や」。う〜ん、ちと眠かった。

柳家さん喬の登場出囃子がいつもと違う「猫じゃ猫じゃ」。これは「猫の災難」でも演るのかなと思ったら全然違う「猫定」。居酒屋で猫をもらった定吉が黒猫を家に持って帰るが、女房のお滝はいい顔をしない。この猫には博才があり、定吉は博打で儲けていく。ところがあるとき、定吉はしばらく家を開けざるをえなくなり、猫をお滝に預けて旅に出る。そこから悲劇が始まる・・・。というちょっと悲惨な噺なのだが、これを柳家さん喬は懐に入れた猫を愛嬌たっぷり、時に壮絶な刃傷沙汰を悲劇的に情景描写しながら話を進めていく。本来はマクラで言わなければならない宣伝トークを忘れほどの白熱の50分。素晴らしかった。

仲入り後の出囃子はいつもの「鞍馬獅子」。そして演目は十八番の「中村仲蔵」。これまでに師匠の「中村仲蔵」を2回聞いているが、芝居好きにとってこの噺は何度聞いても嬉しい。お話は忠臣蔵の五段目を演じることになった仲蔵が、雨宿りに入った蕎麦屋で会った貧乏御家人の所作をヒントに斬新な舞台を演じ成功させるというもの。ここでもさん喬は芝居のウンチクを交えながら、舞台小屋、楽屋にいるかのような錯覚に陥らせる。そして、太田その師匠の三味線が入る得意の見栄などの所作を交える舞台絵は圧巻。もはや柳家さん喬の芸は人間国宝の域にある。



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