土曜日, 3月 30, 2019

イチロー狂騒曲を利用した魑魅魍魎

一連のイチロー引退騒動に終演を告げ、メジャーリーグが開幕した。プロ野球も開幕した。野球ファン待望のシーズン到来である。それにしても、先日までのイチロー引退騒動は見苦しくてならなかった。

私は1973年にアメリカへ行ったとき以来のメジャーリーグファンである。当時、私が住んでいたサンフラシスコ・ベイ・エリアのイースト・ベイにあるオークランド・アスレチックスはレジー・ジャクソンやキャットフィッシュ・ハンターといった名選手が何人もいて、1972年から3年連続ワールド・チャンピオンに輝いた。もちろん、私も何度もオークランド・コロシアムに試合を観に行った。

それから20年。野茂英雄が1995年にドジャースに移籍した時も、仕事そっちのけに野茂を見るためにロサンゼルスに向かい、彼が13奪三振を奪い完封した6勝目の試合を観た。ちなみに、野茂がメジャーに移籍したとき、当時のNPB吉國一郎コミッショナーは大反対で露骨な妨害工作すらした。またナベツネこと渡辺恒雄も「野茂英雄と(エージェントだった)ダン・野村はワル」とまで言った。

そして6年後イチローが渡米した。そのときも私は仕事に格好つけてシアトルに試合を観に行った。松井秀喜が2003年にヤンキースに加入した時も、旅親しんでいるニューヨークで松井の勇姿を目にした。他にもサンフランシスコで新庄剛志、アナハイムで長谷川滋利らの活躍を目撃してきた。

話を戻そう。イチロー引退騒動である。私は昨年5月のブログに「イチロー実質的引退」と書いている。ご存知のようにイチローは昨年5月に登録抹消されて、それ以降はGM特別補佐という名のもと、先日までマリナーズ傘下にあった。つまり、イチローは日本での開幕戦の目玉として保護されていたのである。そして、結果はオープン戦から1割を切っていた打率と同じように、残念ながら無安打でユニフォームを脱ぐことになった。

では、なぜイチローの引退試合がシアトルで行われたかったのだろうか。

マリナーズ vs アスレチックスの開幕戦は読売新聞社主催として東京ドームで開かれることは1年以上前に決まっていた。おそらくその時に、読売新聞はイチローが出場する条件をつけていたのではないだろうか。いくら菊池雄星がマリナーズに加入することが分かっていたとしても、彼だけではお客を呼べることはできない。それゆえにどうしてもイチローが必要不可欠だったのである。ましてや、引退間違いないとなれば、ファンは最後にその勇姿を見たくなるもので、チケットは2試合ともまたたく間に完売した。

そして、この開幕戦でもう一つ注意しなければならないのが、冠スポンサーである日本MGMリゾーツだ。この会社名をご存知の日本人がどれぐらいいるだろうか。おそらく1割もいないだろう。日本MGMリゾーツはラスベガスにカジノなどを所有しているMGMリゾーツの日本法人である。つまり、日本のカジノ解禁を待ち構えている企業、いや後押しをしている会社である。

つまりである。イチローは読売新聞、MGMリゾーツにうまく利用されたのである。観客もそれに踊らされたのではないかと思う。そう考えると、とてもじゃないがイチロー引退騒動を疑問視をせざるをえない。それにしても、こうした疑問を投げかけずイチローの一挙手一投足を美化するだけのマスコミは明らかにおかしい。加えて、二度も断られているのに国民栄誉賞を与えようとしている安倍政権の姑息さには呆れかえる。

イチロー引退騒動の裏には、読売新聞、カジノ、安倍政権といった魑魅魍魎がゴソゴソと蠢いていた事実は忘れないようにしよう。

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