火曜日, 5月 12, 2009

浮世絵 - ベルギーロイヤルコレクション展

一昨日(10日)の午前中、日本橋高島屋で開かれていた「浮世絵 - ベルギーロイヤルコレクション展」へ行ってきた。前日のN響定期公演もある人のブログに半分騙された気で行ったが、今回も別の方のブログに半分騙された気分で行ってしまった。なんと主体性のないことだろう。w

さて、この浮世絵展は、ベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館のコレクションに保存されている浮世絵150点余りを展示していて、鈴木春信、磯田湖龍斎、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川豊国、歌川国芳、葛飾北斎、安藤広重といった江戸時代を代表する浮世絵師の傑作の数々をじっくりと鑑賞することができた。

そのなか、私がもっとも目を見張ったのが、喜多川歌麿の「高名美人みたて忠臣蔵 十二段つづき」。これは「仮名手本忠臣蔵」の初段目から十一段目まで場面を、当時の高名美人(実名入り)で描いたもので、なんとも艶めかしい忠臣蔵の絵である。十一段目では歌麿自身が高師直(吉良上野介)として登場、討ち入りならぬ美人たちと楽しげな宴を繰り広げいて、ウィットにとんだ絵となっていた。このほかにも、歌川国芳の「金魚づくし」という金魚を擬人化した滑稽画もあり、江戸庶民の生活を風刺していて可笑しくてならなかった。

こうした興味を引かれた作品とは別に、葛飾北斎の富岳三十六景「神奈川沖浪裏」、同「凱風快晴」、同「山下白雨」、安藤広重の東海道五十三次「庄野 白雨」、名所江戸百景「大はしあたけの夕立」など馴染み深い作品もあり、また、3枚で1組の絵という「大判3枚続」がいくつもあり、なかでも鳥居清長の描いた「吉原歓々楼遊興」は昼の吉原遊廓の全体像を描いていて、男として大変参考になった。w

ベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館のコレクションには8000点もの浮世絵コレクションがあるそうである。そして、今回展示された浮世絵の保存状態はどれもこれも素晴らしい。先日の日記にも書いたが、日本には江戸時代のこうした浮世絵、錦絵などを保存・展示する大々的な美術館がない。やはりアニメ美術館より浮世絵美術館を優先すべきではないでしょうか、麻生さん。

0 件のコメント: