木曜日, 7月 09, 2015

ミュージカル『ジャージーボーイズ』を観る

随分前になるが(6月27日)、渋谷ヒカリエ内にあるシアター・オーブでブロードウェイ・ミュージカル『ジャージーボーイズ』を観た。

この作品、私はアメリカで二度観ていて、早くツアー版が来日しないかなと期待していた。ただ、残念ながらアメリカで観たときほどの興奮や感動を覚えなかった。それは演出が以前よりも機械的というかデジタル的になったことや、劇場が少し大きすぎるという影響もあるだろう。そして、ブロードウェイ・デビュー(2005年)からあまりにも時間が経ちすぎていて、新鮮味に欠けるきらいもあった。

そこで考えさせられたのが、クラシックとモダンの違いである。ブロードウェイでロングランを続けているミュージカルの題材はクラシックなものが多い。『オペラの怪人』『レ・ミゼラブル』『ライオン・キング』など。ところが、21世紀に入ってからはジュークボックス・ミュージカルとして、現代音楽をそのまま利用してロングランするものも増えてきた。『マンマ・ミーア!』『ムーヴィン・アウト』そして『ジャージーボーイズ』である。

現代の若者にとっては、もはやABBAもフランキー・バリーとザ・フォー・シーズンズも過去の音楽でしかないかもしれないが、私のような年代にとってはABBAやビリー・ジョエルはバリバリの同時代音楽であり、フォー・シーズンズにしても、子どもころラジオの「9500万人のポピュラーリクエスト」などといった番組を通じて親しんでいただけに、とても過去の音楽とはいえない。それゆえに、もう少し早い来日公演を、少なくとも映画化される前に来日してほしかった。映画化されて有名になったから来日公演が実現したのだろうが、残念ながら私には賞味期限切れのような味わいを感じざるをえなかった。

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