月曜日, 8月 06, 2007

ミューザ川崎のNHK交響楽団

一昨日(4日)、ミューザ川崎で開かれている「サマーフェスタカワサキ」のNHK交響楽団の公演に行ってきました。指揮は山下一史。司会進行は黒崎めぐみアナ。客席は満席。

演目
クレンゲル/自作主題による4本のチェロのための変奏曲
(チェロ:村井将、銅銀久弥、山内俊輔、桑田歩)
モーツァルト/ピッコロ四重奏曲イ長調(本来はフルート四重奏曲イ長調K.298)
ダマレ/白つぐみ
(ピッコロ:菅原潤、ヴァイオリン:山田慶一、ヴィオラ:飛澤浩人、チェロ:藤村俊介)
(※以上プレコンサート)

バーンスタイン/キャンディード序曲
ドビュッシー/クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲(クラリネット:横川晴児)
ホルスト/吹奏楽のための第1組曲変ホ長調
R.デューハースト/ブラジリア(トロンボーン:新田幹男)
V.ユーマンス/キャリオカ(チューバ:池田幸広)
バーンスタイン/「ウェスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス

最初に結論。プレコンサートが約30分、本演奏とおしゃべりで約1時間30分、これで料金はS席3000円・A席2000円と格安。場所はNHKホールでなく、日本のコンサートホールのなかでも最高の音響を誇るミューザ川崎。そして、演奏はNHK交響楽団。かなり楽しい気分を味わえたコンサートでした。

開演1時間15分前より行われたプレコンサート。曲目は普段はNHKホール北側ロビーで行われている「開演前の室内楽」で演奏されたものと同じ。最初のチェロ四重奏は会場がまだざわついていたせいか、ちょっと集中して聞けなかったが、二つ目のピッコロ四重奏は、北側ロビーで聞いたときの音とは全然違い、めちゃくちゃに素晴らしかった。菅原潤のピッコロはミューザ川崎のホールの3階席まで間違いなく響き渡り、また飛澤浩人の粘りのあるコシの強いヴィオラの音色が耳からお腹にまで伝わってきた。いや〜、このホールは室内楽でも全くノープロブレムなんだなぁ、と実感させられました。

さて、午後3時からは吹奏楽をテーマにした演奏。最初と最後のバーンスタインの曲ではオーケストラは100人以上の大編成。あまり広いとは思えない舞台に黒服姿のメンバーがいっぱいで、こりゃ楽屋は大変だろうなとまず思う。(笑)しかし、演奏の方はまったく手抜きをしません。指揮の山下一史はよほどバーンスタインがお好きなようで、オケばかりでなく余裕綽々で観客まで指揮してしまう。私はNYでバーンスタインが指揮する「ウェスト・サイド・ストーリー」を聴いたことがあるが、それに負けるとも劣らずの素晴らしい演奏だった。ただ、演奏中の「マンボ!」の掛け声はちょっと恥ずかしいのか、優等生的でいただけなかった。

そして、この日のテーマである吹奏楽だが、ソリストのみなさんは誰もが上手いの当たり前だが、なかでも、チューバの池田幸弘が奏でるチューバ独特の柔らかく優しい歌声のような音色は、ホール全体をふんわりと漂い、客席からはおそらくこの日最大の拍手をもらっていた。また、昨年からN響メンバーになった新田幹男のトロンボーンの音色も優美だった。新田は高校2年まではチューバ奏者で、高校3年からトロンボーンに転向したという。山下一史も「高校3年から始めて、いまN響ですか」と言っていたが、この話には吹奏楽をしている中高校生たちは勇気づけられたに違いない。

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