火曜日, 5月 06, 2008

ウォシュレット、使ってますか

商品名がそのまま製品名のように思われている品物はいくつもある。ホッチキス、セロテープ、エレクトーン、ウォークマンなどなど。そして、ウォシュレットもそのひとつではないだろうか。

ウォシュレットはTOTOの「温水洗浄便座」の登録商標及び商品名である。しかし、誰もがINAX製であろうが松下電器製だろうが、「温水洗浄便座」とは呼ばず「ウォシュレット」と呼んでいる。それほどウォッシュレットという名は世間に普及している。

ウォシュレットはTOTOが1980年(昭和55年)に発売した温水洗浄便座である。すでに発売して28年になる。この温水洗浄便座は日本が最初に作ったものだと思われがちだが、最初に発売したのはアメリカだそうである。TOTOは1964年からアメリカの「ウォッシュ・エアー・シート」という製品を輸入販売していたが、その後、国産生産をすることになった。というのも、痔を患っている人に確実なニーズがあったからそうである。

しかしながら、ウォシュレットは発売当初は全く売れなかった。そこで肛門科や産婦人科などの病院やゴルフ場などに置いて、体験してもらう戦略をとった。そして、1982年に戸川純の「おしりだって洗ってほしい」CMで、徐々に世間に認知されるようになり、1987年に100万台と80年代後半から販売台数が伸びていった。私が初めてウォッシュレット使ったのは検査入院したときであり、おそらく1985年だったと思う。

その後、ウォシュレットは口コミでその機能性や清潔感が伝わり、1998年に1000万台、2005年に2000万台まで普及するようになった。そして、2007年3月に発表された内閣府の消費動向調査によると、一般世帯の普及率は驚くべきことに65.3%になっているそうである。つまり、3戸に2戸の家にウォシュレットが普及しているのである。もちろん、この普及率は世界でも日本がダントツであるそうだ。考えてみれば、私は海外でウォシュレットにお目にかかったことは一度もない。

ちなみに、内閣府の消費動向調査によると全国7地域に分けた地域別普及率では、東海の74.5%がもっとも高く、TOTO(北九州市)のお膝元である九州・沖縄の50.9%がなぜか一番低い。

ウォシュレットがこれだけ普及した最大の理由はやはり日本人が清潔好きだからだろう。また、水道が衛生的であり、下水が完備されているという理由も大きい。加えて、和式便器から様式便器に変わる時期にちょうどウォシュレットの販売が重なったからだとも言われている。

日本を訪れた外国人の多くがウォシュレットの普及率の高さに驚くそうである。ホテルや旅館のほとんどがウォシュレットになっている今日、日本でウォシュレットの良さを体感した人のなかには、帰国後にすぐにウォシュレットを購入する人が少なくないそうである。水を簡単に殺菌できる能力のあるウォシュレットができれば、ウォシュレットはもっともっと海外でも普及するに違いないだろう。

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