火曜日, 9月 03, 2013

柳の家の三人会@めぐろパーシモンホール

昨日(2日)めぐろパーシモンホールで開かれた「柳の家の三人会」を聞いてきた。出演者と演目は下記の通り。

柳家小かじ 『道灌』
柳家三三  『お化け長屋』
 〜 仲入り 〜
柳家喬太郎 『夜の慣用句』
柳亭市馬  『妾馬』

「柳の家の三人会」というのは柳家小さん一門の会である。基本的には柳亭市馬、柳家喬太郎、柳家花緑、柳家三三の4人で構成されているようで、この日は花緑が降り番で市馬、喬太郎、三三の3人会という形になった。

開口一番の柳家小かじ。落語協会のプロフィールによると、柳家三三に入門して、2013年つまり今年の2月1日に前座となった1年生。というわけで、頭はピカピカではないにしろ坊主頭で登場。滑舌は非常にいい。ただ、落語としての上下への視線の配り方、仕草や掛け合いなどにはまだまだ勉強の余地がいっぱいありそうである。

柳家三三は落語協会会長の柳家小三治の愛弟子であり、間違いなく次代を担う逸材。『お化け長屋』は正統派古典落語を目指す落語家なら誰もが一度は演じる噺で、演じ手の個性が非常によく表れると思う。三三の『お化け長屋』は展開も早く、話のもっていきかたも上品でスマート。ただ、その分泥臭さがなく長屋の雰囲気というか情景描写が少し乏しいのが残念。

この日の柳家喬太郎はノリノリだった。場所が彼自身が生まれ育った東横線沿線ということもあり、枕でいろいろな駅(都立大学、渋谷、高島町、代官山、そしてなぜか和光)の話で脱線のオンパレード。渋谷駅の悪口で沿線住民が多かったお客の心を掴んでからは、自身の代表作『夜の慣用句』の最後まで一気に走りつづける。その様はどことなく昔の林家三平を彷彿させ、彼独自の世界を確実に築きあげてきている。

柳亭市馬の枕はBS-NHKで放送された立川談志のドラマで師匠・柳家小さんを演じた話から始まり、小さんと談志の仲までを語る興味深い話。そして、本題の『妾馬』は登場人物(八五郎、大家、門番、三太夫、お殿様)を時代描写を交じわえながら見事に演じ分け、古典落語の王道を聞かせてくれる。さすがに上手い。できるならば、最後に少しだけ聞かせてくれた都々逸をもう1〜2声聞かせてほしかった。

柳亭市馬は52歳、柳家喬太郎は50歳、柳家三三は少し若く39歳。30何人いたという小さんの弟子と、何人いるか分からない孫弟子たちのなかでも花形の3人だが、黄金の60代(柳家さん喬、五街道雲助、柳家権太楼、春風亭一朝など)に肉薄するような実力を発揮。今の落語界の充実ぶりを感じさせる落語会だった。

最後に以前にも書いたが、パーシモンホールは寄席向きのホール(昨日も650席ある1階はほぼ満席)なので、定席とはいわないまでも2〜3ヶ月に1回の割合で「柿の木坂寄席」とか「柿の木坂名人会」という催しを開いてもおかしくないだろう。

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