水曜日, 6月 15, 2016

美食日記「ルメルシマン オカモト」(南青山)

先月29日、誕生日祝ディナーのために南青山のフレンチ・レストラン「ルメルシマン オカモト」を訪れる。今回はなんと相方がディナーを〝誕生日プレゼント〟してくれる。彼女が年輩者(母親を除く)に奢るのは基本的にありえないとか。私が「誕生日プレゼントは自転車(ミニベロ)の空気入れでも良かったのに」と軽く冗談を言うと、「それ、早く言ってよ。それなら2つでも3つでも買ってあげたのに」とちとおカンムリ・・・。m(_ _)m

 

「ルメルシマン オカモト」はシェフの岡本英樹さんが北海道出身ということもあり、北海道の食材にこだわって料理を提供してくれる。この日のメニューは下記の通り。なお、飲み物はグラス・シャンパンを1杯飲んだ後に、なかなか手に入りにくい北海道ワイン、ドメーヌ・タカヒコの「ヨイチ・ロゼ サン スーフル」を頼んだ。

・アミューズブーシュ(ウニ乗せのコンソメジュレ)
・北海道産ホワイトアスパラガスとオマール海老のソテー サバイヨンソース
・ポロ葱のテリーヌ 地鶏のレバームースとトリュフのヴィネグレット
・蛤とえんどう豆の茶碗蒸し
・新玉葱のヴルーテ フォワグラのソテーと共に
・北海道より鮮魚(時鮭)のポワレ ソース・ロワイヤル
・うさぎのロースト 北海道の季節野菜添え
・チコリコーヒーのババロワ
・イチゴソースのアイスクリーム
・飲み物とミニャルディーズ

アミューズのコンソメジュレはウニの濃厚な味わい。グラス・シャンパンの味を心地よく引き立ててくれる。北海道産ホワイトアスパラはフランス産よりは歯ごたえがしっかりしている。酸味のある卵黄のサバイヨンソースが奥深いというか上品な味わいで、オマール海老とホウイトアスパラガスをしっかりマッチングさせてくれる。なかなかの一品。

 

ポロ葱のテリーヌはシェフのスペシャリテ。正直見た目はさほどと思ってしまうが、食べてみると驚きの一言。ポロ葱の甘さと渋みが舌をとろけさせ、地鶏のレバームースとの兼ね合いも抜群で、ヴィネグレット・ソースが美味しいハーモニーを奏であげる。これは絶品。

蛤とえんどう豆の茶碗蒸しはフレンチというよ日本料理という感じ。蛤の香りが強いが、それをえんどう豆がほんのりと抑えてくれる。出汁(カツオ味だったような)もしっかり効いている。この料理、スパークリング・ワインのようなロゼにぴったりで、二人してこのワインを頼んで「正解だった」と頷き合う。

 

ヴルーテとはフランス語で「ビロードのように滑らかな」という意味らしいが、確かに甘く滑らかな味わいは的を射ている言葉だ。さほど脂っこくないフォワグラをのソテーとの相性も良い。それにしても、このヴルーテの味わいは奥深く、皿を全部舐めたくなるほどだった。

時鮭のポワレは野菜をたっぷり使ったソースと野生アスパラガス(ソバージュ)でまさに北海道を表現しているかのような料理。うさぎは北海道産ではないと思うが、鳥の胸肉を柔らかくしたような食感でとても美味。腸(?)の部分はコリコリしていて、その食感の違いを楽しめる。甘めのソースも美味しい。あっという間に食べてしまった。

 

デザートは3品。チコリコーヒーはフランスではよく飲まれているというが、私は今回が2度目のご対面。ましてやババロアは初めて。イチゴソースのアイスクリームはしっとりした味わいだった。

ということで、誕生日祝ディナーを大変美味しくいただいた。素材を活かした料理と、それに加わるソースが秀逸だった。岡本シェフはソース作りに関しては天才もしくは魔法使いと言っても過言ではないのだろうか。よく「フランス料理はソースが命」といわれるが、彼は間違いなくその命に命を注いでている。ただ、一つ苦言を申せばバケットやバターにもう少し凝ってもらいたい。これだけ美味しいソースを楽しめる店はそうそうないのだから、そのソースをもっと楽しめるパンやバターを提供してもらえると嬉しい。

最後に、店名のルメルシマンとは「感謝」の意味らしい。私もシェフおよび相方から感謝の気持ちをしっかりと受け取らせてもらった。ごちそうさまでした & ありがとうございます。

ルメルシマン オカモト
http://chefokamoto.com/

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