木曜日, 10月 04, 2012

WBC監督・山本浩二にオブジェクション!


WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表監督に山本浩二が決まったというスポーツ紙の記事を読んだとき、日本のプロ野球球界は相変わらず旧態依然の気質が抜けないんだなあ、と失望感にさいなまれてしまった。

山本浩二は選手としての実績(通算本塁打数536、通算打点1475、生涯打率.290)は素晴らしく、1975年の広島カープ初優勝を導いた立役者である。しかし、監督としての実績は10年間の監督生活でリーグ優勝が1回あるものの、2001年からの5年間はBクラスだった。

そして、何よりもその監督理論というか戦術は前時代的な精神論・根性論だけで、現代的な戦術に長けているわけではない。また、メジャーリーグをはじめとした国際的知識があるとは思えない。加えて、指導者としての人心力があるとも思えない。

そんな山本浩二が監督になれたのは、一にも二にも彼が日本テレビの解説者をやっていたという経歴があるからである。WBCの日本での興行権は読売新聞が持っている。それゆえにナベツネをはじめとした読売上層部はどうしても子飼いの人間を監督にしたくてならなかった。また、山本ならば12球団からの支持を得られるという計算もあっただろう。

これまでのWBCの監督にしても、王貞治、原辰徳と元巨人選手である。ただ、この2人は国際的知識も経験も豊富であり、人心力もあった。特に王貞治は相手チームの選手がサインを求めにきたり、一緒に写真を撮ってもらったりしていたのだから、そのネームバリューは凄いものがあった。

ところが、山本浩二である。現場を離れてすでに7年も過ぎているロートルが日本代表監督になるとはお笑いぐさである。私は伊東勤か梨田昌孝あたりの捕手出身の監督がいいなと思っていたのだが、残念ながら2人は共にパリーグ出身であり、読売系列で解説者をしたこともない。それゆえに、読売の息のかかったセリーグ球団からの支持を得られない可能性もある。

結局のところ、日本のプロ野球は旧態依然とした体質からいまだに脱却できていないのである。

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