土曜日, 4月 06, 2013

新宿末広亭4月上席・夜の部


昨日(5日)新宿末広亭で開かれた4月上席・夜の部を聞いてきた。末広亭で落語を聞くのはおそらく10年ぶり。

5代目柳家小さん門下の噺家たち(花緑、権太楼、小袁治、6代目小さん、市馬)、それも上手い噺家たちが登場するということで楽しみにしていたが、花緑はどうやら地方営業で代演となってしまったのが残念。出演者と演目は下記の通り。

林家けい木  『十徳』
柳亭市弥   『たらちね』
柳家小菊   俗曲
三遊亭万窓  『牛ほめ』
初音家左橋  『稽古屋』
林家正楽   紙切り 
春風亭勢朝  (不明)
春風亭一之輔(柳家花緑の代演) (不明)
松旭斉美智・美登  奇術
蝶花楼馬楽  『寄合酒』と寄席踊り
柳家権太楼  『町内の若い衆』
 〜 仲入り 〜
林家しん平  『体に悪い食べ物が好き』
笑組(漫才) 『走れメロス』?
柳家小袁治  『紀州』
柳家小さん  『長屋の花見』
翁家和楽社中  太神楽
柳亭市馬   『らくだ』

林家けい木は林家木久扇門下の前座。ちょっと変わった髪型で登場。柳亭市弥はこの日のトリ(主任)を務める柳亭市馬の弟子で昨年11月に二つ目に昇進。現代風の二枚目だが、話の運び方がなかなか上手い。先日聞いた柳亭市助といい、市馬門下は落ち着いた語り口が印象的である。

柳家小菊の俗曲の歌声も良かったが、その後の噺家たちの話や寄席踊りを舞台裏で支えていた三味線の音色に風情があって良かった。三遊亭万窓は円窓の弟子ということでかなりの本格派。今度、じっくり聞いてみたい。春風亭勢朝は落語会の「政調会長」と言っていたが、どらかという「国会対策委員長」といった感じで、その名の通り勢いはいい。

春風亭一之輔。数多くの新人賞を受賞した実力派であり人気者。ただ、この日は代演ということもあってか、なんか話にキレがなかった。松旭斉美智・美登のマジック。寄席にはやはりこうした彩りがあるのがいい。蝶花楼馬楽は寄席踊りを披露。寄席の楽しみのひとつが見れて嬉しかった。柳家権太楼が出てくると「待ってました」の声が掛かる。寄席はやはりこうでなくちゃ。

仲入り後、お客さんがいっぱい入ってきたが、驚いたことに若い女性が多い。左右の桟敷席には女性がずらっと並び、漫才の笑組がマジで驚いていた。いったい誰がお目当てだったのだろうか。

林家しん平の落語というか枕のような『体に悪い食べ物が好き』はマゾステッィクな話。漫才の笑組は内海桂子・好江門下で正統派漫才。それにしても、太宰治の『走れメロス』を落語にするとは。だが、これが意外なことに面白い。

5代目柳家小さん門下の二人、柳家小袁治と6代目柳家小さんはやはり上手い。翁家和楽社中の太神楽、和楽、小楽、和助の息のあった太神楽。これも寄席ならではのものだ。

主任の柳亭市馬が登場すると「待ってました」の声。気の弱い男が飲み始めるとだんだんに気が強くなっていくという酔っぱらいの話をじっくり、そしてたっぷりと聞かせる。落語協会副会長は上手い!

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