金曜日, 5月 13, 2016

春風亭正太郎@チェロキー寄席

一昨日(11日)は学芸大学駅近くで開かれた第8回「チェロキー寄席」に行ってきた。出演は春風亭正太郎。彼の自宅から着物(高座用)で歩いて来れるというすぐそばにあり、生まれも近くという生粋の地元出身の落語家。

1席目は「そば清」。枕は先日見に行ったという御柱祭の話。御柱祭は7年毎(6年に1回)のお祭りだが、木落しとかは有名だが祭りの期間がちょっと長すぎるのが難点とか。

「そば清」はそばの大食いの清兵衛さんの話。オチは清兵衛さんがある草(人を溶かすと消化剤)を食べて、ソバが羽織姿になってしまうというもの。いつの世でも大食い競争というものはあるが、これはそうした風潮を揶揄しているのかもしれない。この噺はいかにメリハリを効かせて聞かせるかが噺家の腕の見せ所である。正太郎はその点をしっかり心がけているようで、そば、うどん、きしめん、とろろそばの食べ方(すする音の違いなど)を織り交ぜながら、客の心をしっかり引き寄せて演じていた。

2席は「蒟蒻問答」。枕は昨今話題になっている『笑点』の次期メンバーは誰かという話。自分は絶対ないと断言。それはそうだろう。残念ながら今の時代は二つ目(円楽や木久翁は二つ目の時にメンバーになっている)にお誘いはこないだろう。

さて、「蒟蒻問答」は住職になりすました蒟蒻屋の六兵衛と越前永平寺の僧との問答のお話。仏教用語やその例えが飛び交うので少し難解ではあるが、正太郎はあらかじめ、落語と仏教の深いつながりを説明していたこともあり、観客を巧みに噺に引き込ませていく。この人、本当に上手くなっている。今後も注目していきたい。

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