金曜日, 1月 09, 2009

映画『K-20 怪人二十面相・伝』を観る

原作は名古屋在住の劇作家・北村想の小説。この本は1989年に出版されたのだが、当時小劇場演劇に関わっていた私はこの小説を舞台化できないかと模索したことがある。そういう意味では私にも少なからぬ縁のある映画である。

映画のストーリーは6〜7割がオリジナル脚本であるが、原作のもつテイストはうまく保っている。それでいて、冒険活劇ならでは面白さ、楽しさ、阿呆らしさを見事に取り込んでいて、十二分に見ごたえある映画になっている。老若男女、誰が見ても楽しむことができるのではないだろうか。

時は1949年、太平洋戦争に突入しなかった帝都(原作は昭和初期)。そこで暗躍する怪人二十面相騒ぎにサーカス団員の遠藤平吉(金城武)が巻き込まれ、怪人二十面相と対決していく・・・。ストーリー展開は非常に単純明快だが、テンポのいい演出、キレのいいアクション、さほど過剰になっていないVFX(映像特殊効果)などがうまくミックスされていて、上演時間137分とかなり長編なのだが飽きさせない。

出演者も金城武のセリフのまずさには目をつぶらざるをえないが、松たか子の天真爛漫なお嬢様ぶりやいかにもという仲村トオルのワンパターン演技も悪くない。そして、なんといってもこの3人の主演陣を支える國村隼の演技が光る。

この映画は主演に金城武を配していることなどから、明らかに日本だけでなく東南アジアをはじめとした海外配給を意識して作られている。それゆえに、日本国内の評価だけでなく、海外の評価を知りたいものである。もし、海外での評価が高ければ、続編もありうるかもしれない。決して100点満点の映画ではないが、満足度は90%以上はあると思う。チャンスがあれば是非とも映画館で観てもらいたい。映画は映画館で観てこそ面白い。

映画「K-20 怪人二十面相・伝」公式サイト
http://www.k-20.jp/

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