WBC(ワールドベースボールクラシック)で日本は2連覇を遂げた。選手やスタッフの努力と実力で?ぎ取った結果だけに、それは大変喜ばしいことである。しかし、今回のWBCで日本野球の問題点も数多くさらされた。日本代表が世界一になったとはいえ、日本野球そのものが世界基準に満たさないものがいくつかあるということである。
まず第一に日本で使われている“飛ぶボール”を即刻やめることだ。日本の打者がWBC期間中打ったホームランはたったの4本。韓国は11本、アメリカは12本、ベネズエラは13本だった。日本がいくらスモールベースボールを行っているとはいえ少なさすぎる。
そして、これらのホームランを打った打者は全員が右投げ右打ちの打者(村田2本、城島1本、内川1本)だった。右投げ左打ちの打者でフェンスに当てたのはイチローだけであった。以前にも書いたが、俊足の子供はまだしも、右利きの子供が左打者になる風潮は直ちに改めるべきである。
こうしたことの象徴的な打球が、サンディエゴでの対キューバ戦で小笠原(右投げ左打ち)がセンター・エラーを誘った一球だ。この夜のサンディエゴは霧でセンターは打球が見ずらく、落球してしまった。もしあの一打が日本の“飛ぶボール”で、乾燥していて狭い東京ドームでやっていたらホームランになっていたに違いない。
日本はヒットを92本も打ちながらも、得点は50と少なく残塁数も多かった。決勝で日本は9回までにヒットを12本打ちながら得点はたった3点しかなかった。これがスモールベースの象徴かもしれないが、やはり得点能力をつけるにはもう少し長打力が必要である。サッカーの日本代表と同じように“決定力不足”だったことは明らかである。
そして、世界中で日本だけのストライク・ボール・アウト(SBO)の数え方はボール・ストライク・アウト(BSO)に即刻改めるべきである。もちろん、これはプロ野球だけでなく、少年野球から社会人野球まですべてに対してである。
次のWBC(ワールドベースボールクラシック)は4年後である。次回はアメリカや他の国も本気モードで来るだろう。それらの対策は今から行うべきであろう。美酒に酔いしれているだけでは、日本野球の将来は危ない。
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