月曜日, 1月 28, 2013

小三治の卵かけ御飯

卵料理というものは人それぞれいろいろなこだわりがある。例えば、ゆで卵ひとつとっても半熟卵がいいという人もいれば、完熟じゃなきゃダメだという人がいる(私は後者)。また、目玉焼きにしても半熟、完熟だけでなく、アメリカ人のように両面焼き(turn over)が好きという人もいるだろう。また白身だけを焼くの好きという人もいたりする。このことは、卵かけ御飯も同じかもしれない。

一般的に卵かけ御飯というと、卵を小さな器に割って、それに少し醤油を垂らしてかき混ぜてから、御飯にかけて食べるものではないだろうか。牛丼屋で牛丼の上に卵をかけて食べる人のほとんどもそうしているように思う。卵を直接牛丼の上に乗せて、かき混ぜて食べる人はいないと思う。

ところが、柳家小三治の著書(といっても落語の枕を活字化しただけだが)の『まくら』(講談社文庫)のなかに書かれている卵かけ御飯というのは、まず御飯の上を平らにして、そこに直接割った卵を落とす。そして、その上に醤油をかけ、箸で黄身を白身の上に散らして、軽く2~3回かき混ぜるという。これによって、御飯、黄身、白身などが混ざったり、それぞれが独立して、いろいろな味が楽しめる究極の卵かけ御飯になるそうだ。

そこで、私も小三治に倣った卵かけ御飯を試してみたところ、これがかなりイケるのである。卵本来の甘み、粘り気、黄身と白身の違い加減、醤油の味などがよく解るのである。それ以来、卵かけ御飯といえば小三治流にしている。ただ、このやり方を一度牛丼でも試したことがあるが、こちらは牛丼の味が強いせいか美味くフィットしなかった。(笑)

10代目柳家小三冶『卵かけご飯』-rakugo-

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