火曜日, 3月 10, 2015

美食日記「ア・ニュ」(広尾)で母親の誕生日祝い

母親の誕生日は2月21日。しかしその頃は外はまだ寒いので、例年誕生祝いは3月に行っている。今年は私のお気に入りのお店「ア・ニュ」で。そして、この日いただいたコース料理「メニュー ソロ」は下記の通り。

・アミューズ
・縮み法蓮草のフリット 大地の香り
・アオリイカのセヴィーチェ
・鮟肝と生ハムのゼリー
・ホワイトアスパラガスのフリット
・フォアグラのリゾット
・カキとアーサーを乗せて蒸し上げた金目鯛 ブールブーランソース
・青首鴨、猪、鹿、フォアグラのカイエット
・チーズの盛り合わせ
・オリーヴオイルのブランマンジェ
・桜のスフレ 抹茶のアイス
・食後のお飲みものと小菓子

アミューズはアニュお馴染みの穴の空いた大きな皿に自分なりに小鉢をおいて楽しむという形式。今回はブロッコリーソースで食べる人参の形をしたクッキーなど3点。ブロッコリーソース(ムース?)はアミューズに出されるのがもったいないぐらいの美味しさ。

 

「縮み法蓮草のフリット」は縮み法蓮草の根っこと茎部分を使って、菊芋のピュレを塗りまぜた上から土に見立て黒トリュフが散りばらめて大地の香りを表現している。味はサクサク感としっとり感を同時に楽しむといった感じ。「アオリイカのセヴィーチェ」のアオリイカは普通に切られているのではなく、一枚の身を三枚下ろしならぬ3〜4枚にスライスしてから細切りにするという職人技。このために、お刺身で食べるようなコリコリ感はなく、イカが泳いでいるような浮遊感がある変わった味。昨年ここで食べたキャビアのコースのときにも感じたが、シェフの下野昌平さんはこうした浮遊感のある味わいを出すのが上手い人だ思う。

 

「鮟肝と生ハムのゼリー」は浮遊感から一転、ちょっと重厚感のある料理。ゼリーは生ハムの香りを移したたものとのこと。鮟肝の下にはタケノコや人参なども入っていて、そのバランス感覚はエレガンスにして絶妙。「ホワイトアスパラガスのフリット」はサラっと揚げてあり、それをちょっと変わったソース(オランデーズソースではない)で食べるという趣向。サクサク感と優しいしっとり感を楽しむことができる。で、ここでお皿がこれまでと異なることに気がつく。このお皿はシェフが仕事で石垣島を訪れたときに気に入ったものらしく、クリスタル感のある艶やかな色合いで出来ている。

 

「フォアグラのリゾット」のリゾットはお米ではなくスペルト小麦。ということで、ここでもファグラのうるおい感と小麦のサラっとした食感の違いを楽しむことができる。「カキとアーサーを乗せて蒸し上げた金目鯛」は白眉だった。金目鯛の美味しさを崩すことなく、カキとアーサー(海草)が海の香りを一層引き立てくれる。また、ブールブーランソース(エシャロットで出来ている)も実に美味しい。最後はパンで綺麗にお皿をクリーンにしてしまった。

 

「青首鴨、猪、鹿、フォアグラのカイエット」。カイエットとは細かくした肉などを野菜で包んで焼いた料理のことらしく、今回はミンチした青首鴨を主体に白菜で包んでいる。食べた瞬間はちょっと鹿の味が強いと感じるものの、次第に鴨や猪の味わいも分かるようになり、少し風変わりなジビエ料理を味わった思いであった。

 

お菓子に関してはいつもながらよく解らないのだが(作った人、ごめんなさい)、「桜のスフレ 抹茶のアイス」はしっかりした桜の香りが含まれていて、抹茶の苦味が効いたアイスとマッチしていてとても美味しかった。コーヒーと一緒に出てきた小菓子はちょっと甘めのナッツのメレンゲと円やかなエル・ブリ風のゼリー。

私がア・ニュを好きな理由は斬新な食感を楽しむことができるからだ。それは多彩な味覚だけでなく、嗅覚、触覚、視覚そして時に聴覚を感じえることができるからだ。今後も五感を大事にした料理を提供していただきたいと思う。また、今回は母親に配慮していただいたとメニューを出していただいたことにも感謝したい。それにしても、91歳の母親は元気だ。なんでもペロリと食べる。そして、最後の誕生日祝いのプレートにもお喜びの様子であった。

ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー
http://www.restaurant-anu.com/jp/index.html

ア・ニュフレンチ / 広尾駅恵比寿駅

夜総合点★★★★★ 5.0


月曜日, 3月 09, 2015

『雲霧仁左衛門』を読む

『雲霧仁左衛門』は現在BS時代劇で放送中。原作は池波正太郎の同名小説で1972年から1974年にかけて「週刊新潮」に連載された。私はこれまで池波の『剣客商売』シリーズなどを読んでいたが、これはまだだったので、いい機会だと思って読んでみた。

上下巻1300頁余の長編。ただし、読み始めるとすぐに話に没入することができ、1週間で読み終えることができた。前編は雲霧一党が名古屋の薬問屋の金蔵を襲う話で、雲霧一党を主体に書かれている。一方、後編は名古屋で煮え湯を飲まされた火付盗賊改を主体に書かれている。

結末では雲霧仁左衛門の正体などが明かされるものの、尾張藩隠密と関口雄介の関係や、そもそも関口とはいかなる人物(テレビには出てこない)かなど謎も多く、仁左衛門の行方も明かされることはない。

このようにちょっと消化不良というか、完結することなく余韻を持たせて終わるのは小説の常道ではあるが、でもやはりその結論を知りたくなってしまう。しかしながら、池波正太郎は1990年に江戸に旅立ってしまった。

BS時代劇 雲霧仁左衛門2
http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/kumokiri2/index.html

木曜日, 2月 26, 2015

松竹は歌舞伎の興行形態を見直すべし

歌舞伎界の主役たちが相次いで若くして他界している。市川団十郎、中村勘三郎に続いて坂東三津五郎である。彼らとは別に病魔と闘っている人もいる。なぜこのように歌舞伎役者が疫病神と接しなければならないかといえば、それはひとえに過密スケジュールによるものというしかない。

歌舞伎の興行はたった1週間の稽古で、約3週間の休みなし興行が続く。看板俳優というか売れっ子俳優は昼の部も夜の部も演目を変えて掛け持ちで出演している。休むひまなどまったくない。加えて、公演中は後援者との交際もしなければならない。

こうした状況では少し体調が悪かろうが、舞台を穴にあけてはいけないという使命感から無理をしてしまう。これではストレスはどんどん溜まり、酒やタバコの量が増える。そして、悪循環で診察をうけたり人間ドックのような定期健診を受けることすらできない。

このような状況を作っているのは、すべて興行元である松竹の責任である。ただ、観客ももはや分からないでは済まされない問題ではないだろうか。私が以前関わっていた小劇場演劇でも1週間に1日は必ず休演日がある。タカラヅカにしても商業演劇にしても1週間に1日は休演日がある。なのに、松竹歌舞伎には休演日がない。

今後もこのような興行形態が続くようでは、また新たなる犠牲者が出現するだろう。松竹はこうした興行形態および役者の健康管理を改善しない限り、自らの首を自らで絞めることになる。

水曜日, 2月 25, 2015

日経平均が高いカラクリ

昨日(24日)の日経CNBC(CS放送)の「昼カブ 投資相談室」でカブドットコム証券の山田勉が現在の日経平均とTOPIXの違いを説明した。

日経平均は14年ぶりの高値。一方でTOPIXは7年ぶりの高値。どっちが正しいかという問いに、どっちも正しいとのこと。ではどうしてこうした状態が起きているかというと──。

日経平均は日経新聞社が選んだ日本を代表するグローバル企業主体の225社を対象にしている指数。一方、TOPIXは東証1部全銘柄(1710社)を対象にしている指数。この指数、計算方法もまったく異なり単位も日経平均は円、TOPIXはポイントである。こうしたことから、同じ日に一方がプラスで一方がマイナスになることはよく起きたりする。

そして、日経平均には日経平均の値を大きく左右する「日経平均寄与度御三家」(ファーストリテイリング、ソフトバンク、ファナック)というのがある。これら3社の値上がり幅もしくは値下がり幅によって日経平均の値段が大きく違ってくる。加えて、この3社のうちファーストリテイリング、ソフトバンクの2社は14年前には上場しておらず、現在の日経平均の値段を大きく高くしている。つまり、今の日経平均は少なくとも14年前より何百円以上は高いのである。水増しされているといっても過言ではないかもしれない。

一方、TOPIXは全銘柄を対象にした指数であるから、こうした現象は起きることはない。現在のTOPIXは1500ポイントだが、8年前の2007年に1800ポイントをつけている。政府や株屋は日経平均が上がって景気がよくなっていると言っているが、TOPIXはまだまだ低いままである。

月曜日, 2月 23, 2015

同窓会雑感

一昨日、約8年ぶりに開かれた高校(都立大学附属高校)の同窓会に出席した。前回は約90人の出席者だったのが、今回は120人余と大盛況である。これは前回のときは仕事で忙しく来れなかったとか、海外赴任していたりして参加できなかった人が多かったのに対して、今回はほとんどの者が第1線を退いているという理由がありそうである。

ただ、その8年間に鬼籍に入ってしまった人が多かったのには驚かざるをえなかった。前回の幹事長(バレー部)や野球部の主将だった男などが亡くなっていることを知ると万感の思いである。一方で、前回は会うことができなかったヤツと40年以上ぶりに会えたのは嬉しかった。

そして、なによりも驚いたは8年前に比べて男性陣の変容が顕著だったことだ。自分のクラスの連中はよく顔を合わせているのでさほど感じないが、他のクラスの男性陣のオッサンぶりには落胆せざるをえなかった。見事にオッサンである。しかし、女性陣は自分のクラスも他のクラスもみんな昔の面影が残っている。女性のアンチエージングぶりは凄い。男性も見習わなければならない。

次の同窓会はいつ開かれるか解らないが、とにかくそれまでは健康でいるようアンチエージングしたい。

写真:40年余前のクラスマッチの光景

火曜日, 2月 17, 2015

柳の木の下に・・・

先日、深川江戸資料館に行ったときにふと疑問に思ったことが、なんで江戸時代は掘割や川辺には柳の木が多く植えられていたのだろうか、であった。

で、少し調べてみたところ、柳の木は挿し木などで簡単に増やすことができ、垂れ下がった枝には雨を弱めるという効果によって、根の成長を早めるらしい。そのために、護岸を固めるためにはもってこいの木のようであった。

で、よく言われる柳の木と幽霊の関係だが、これは陰陽の関係があるらしい。柳は幸運を呼ぶ陽木ということで、その対として陰の象徴といわれる幽霊が描かれるようになったとか。そして、江戸時代には柳と幽霊を描いた幽霊絵ブームもあったそうだ。

さて、ここからはあくまでも私の推測だが。江戸時代は夜鷹が出没していたので、それが不気味で幽霊に似ているようにも見え、戯画化されて幽霊になったのではないのではないだろうか。ただし、夜鷹の場合はインはインでも淫の方ではあるが、違うだろうか。

金曜日, 2月 13, 2015

美食日記「スモー ブローマン Små Blomman、いつかまた」

人生最大の贅沢な食事をしたかもしれない。

たった2人だけで最高級フランス料理を4時間余にわたって舌つづみをしたのである。場所は昨年4月に訪れた隅田川沿いにある高層マンションのなかにある完全紹介制のプライベート・レストラン「スモー ブローマン Små Blomman」。

メニューは下記の通り。なんとキャビア、フォアグラ、トリュフの世界三大珍味が前菜扱いで登場するという、ある意味究極の“スペシャル・ディナー”。

・ベルギー産オシェトラキャビアと鱒の卵(写真①)
 蕪、レディース大根、ミニリーフ(ナスタチウム)
 イチゴのマリネ

・ずわい蟹のフラン(写真②)
 甘エビ、スナップエンドウ、サラダ菜のクリーム
 カレーオイル風味

・フォワグラのナチュラル 赤ワインの香り(写真③)
 紅玉ピューレ、金柑、ブルーベリーヴィネガー 
 マイクロリーフ

・トリュフ風味のポレンタ(写真④)
 奥久慈卵、フランス産黒トリュフ、マデラソース

・オマールブルーのミキュイ(写真⑤)
 セップソース

・鰆 or 甘鯛のポワレと鱈白子(写真⑥)
 縮みほうれん草、春菊のクーリー
 フィッシュエッセンス

・壱岐産網獲りコルベールのロースト(写真⑦)
 菜花、芽キャベツ、ペコロス、こごみ、赤蕪、空豆
 サルミソース

・ケンジカフェ東京(写真⑧)
 特撰ガトーショコラ
 とちおとめ、洋梨
 バニラアイスクリーム

・食後のお飲物(コーヒー)

1品目からまずキャビアが登場。キャビアは薄く切られマリネされたレディース大根に包まれるかのように、そして私の好きな鱒の卵(フレンチキャビア?)もこれまたマリネされた蕪に包まれるかのようにして盛られてくる。ソースはパッションフルーツベース。ミニリーフ(ナスタチウム)のほんのりとした苦味が、キャビアと鱒の卵の塩味にマッチして、いきなりトレビア〜ンである。

① 

2品目はずわい蟹のフラン。フランとはプリンのように液状にしたものを蒸し上げたという意味らしく、いわばフランス版の茶碗蒸しだ。この料理、上層部はサラダ菜クリームに甘エビしか見えないが、下層部にずわい蟹が潜んでいる。表面にあるオマールコンソメがベースのソースとカレーオイルが混じり合わせるとちょっとエスニックな味になる。一皿に二皿分の料理が凝縮されている感じで相当凝っている。セ タンクロアヤブル!(アンビリーバブル!)

3品目は63.5度で真空調理されたフォアグラ。ドロドロした脂っこいフォアグラ料理ではなく、引き締まった内臓という感じの仕立てで、その上には赤ワイン1本にゲランドの塩を入れ煮詰めてからオーブンで焼いて作るというかなり手のこんだ深紅の塩がかかっている。また、ブルーベリービネガーを煮詰めたソース、赤ワインとりんごのコンポートソースにもぴったりで、そのとき飲んでいた私が好きなカレラ(カリフォルニア産)のピノ・ノワールのにもマッチして言うことなしなしであった。

③ 

4品目は黒トリュフのポレンタ。ポレンタとはトウモロコシを粥状にして煮たものという料理らしい。で、このポレンタのなかに半熟にされた奥久慈卵が隠れている。黒トリュフとトウモロコシが混じりあった味はまさにトロけるような甘みが口のなかに広がり、一瞬絶句状態になるほどのハーモニーで美酒佳肴。マデラーソースの味も見事で、あの食感はしばらくは忘れられないだろう。

 ④ 

5品目はオマール海老のミキュイ。さっきまで生きていたオマールブルーをミディアムぐらいに焼いた料理である。セップソースにはオマール海老の殻で作ったソースも加えられていて、なんとも表現のしようがない独特なテイストだった。カリカリに焼いたパンチェッタ(生ベーコン?)もしっかり脇を固めていた。

⑤ 

ここで箸休めならぬフォーク休めの小休止。前回訪れたときは桜の季節のランチだったので、窓から階下の桜並木や隅田川を航行する船を眺めたりしたが、今回は夜なのでちょっと景色は味気ない。ということで、室内を散策してあちらこちらをパチリパチリ。その間、同行者はシェフの山中賢二さんの料理するのをちょっと邪魔するかのように覗き込んでいるが、山中さんは彼女と料理談義しながら楽しそうに調理している。


ちなみに、ここまでに私はビール、シャンパン、ワイン3〜4杯を戴く。

さて、料理に戻って6品目は魚のポワレ。私は鰆を頼んだが、同行者は甘鯛をチョイス。どうやら彼女は甘鯛の揚げたウロコがお目当てであったようだ。鰆はさっぱり感な味わい、甘鯛はしっとり感の味わいで、どちらも食材の旨味を引き出していて、とても美味であった。


7品目はメインディッシュの長崎県壱岐島で獲れたジビエの真鴨。ジビエということもあり、かなり血の香りがしたたる味だが、食肉用の鴨とはまったく違う食感で、ジビエ好きには堪らない。写真を見ていただければ分かるようにかなりの量だったが、ペロリと食べてしまった。このころになると、2本目のワイン(フランスのコート・ロティエ)も無くなっていて、勧められるがままにブランデーを飲んでいた。w

⑧ 

というわけで、人生最高の超贅沢“スペシャル・ディナー”を完全貸切状態で堪能させていただいた。繰り返しになるが、キャビア(with 鱒の卵)に始まって、ズワイ蟹、フォアグラ、黒トリュフ、オマールブルー(海老)、鰆 or 甘鯛、そしてジビエの真鴨とフランス料理のいいところ取りみたいなコースを、シェフの山中さんならではの手のこんだソースと共に味わうことができ、これぞ至福の極みという感じであった。

最後に残念なことではあるが、このプライベート・レストランは2月いっぱいで閉店する。そして、シェフの山中さんは4月からはシンガポールのオーチャードに出すお店で腕を振るわれる。ということで「スモー ブローマン Små Blomman」ともしばしのお別れである。山中さん、おいしゅうございました。そして、彼の地で活躍されることを願っています。

火曜日, 2月 10, 2015

深川江戸資料館は一見の価値あり

両国にある江戸東京博物館には何度も訪れているが、深川にある深川江戸資料館へは一度も行ったことがなかった。実は何年か前に訪れたことがあるが、そのときはあいにく改装工事のために休館中だった。あれから数年が経ち、やっと訪れることができた。

1986年(昭和61年)10月にオープンした深川江戸資料館は、江戸時代の江東区(主に深川周辺)に関する資料を展示している資料館だ。最大の見どころは天保年間(1830年〜1844年)末期を想定した深川佐賀町の街並みを復元した大展示室である。

展示室には大店の油屋をはじめその土蔵・八百屋・米屋などの表店ゾーン、猪牙(ちょき)舟が浮かぶ掘割をはじめとした船宿・火の見櫓・水茶屋などの掘割&広場ゾーン、そして、長屋・井戸・厠などの長屋ゾーンの3つがうまく混ざりあって造られていて、見事なまでにも実物大の江戸深川が再現されている。これでちょんまげ姿の住人や結髪に着物姿の女性が歩いていたら、完全に江戸にタイムスリップである。藤沢周平や宮部みゆきの時代小説に出てくる世界だ。

ここはちょっとした江戸文化に触れるにはもってこいの場所であり、日本文化に興味のある外国人が訪れるスポットとしても最適ではないだろうか。なお、資料館入口には第48代横綱大鵬の功績をたたえる「横綱大鵬顕彰コーナー」があり、同じ誕生日の私としては嬉しい限りであった。

深川江戸資料館
http://www.kcf.or.jp/fukagawa/




写真上:八百屋の軒先
  中:長屋(棒手振の家)
  下:二八そばの屋台

木曜日, 2月 05, 2015

映画『マエストロ!』を観る

久しぶりに映画を観に行った。いつ以来だろう。(苦笑)公開間もないこともあり、日中にもかかわらず客席は半分近く埋まっていた。そのほとんどが若者かおばさんで、NHKホールにいるような高齢者やクラオタ風の人は皆無だった。

原作はテレビで『のだめカンタビーレ』が話題になっていたころにすでに読んでいる。ただし、内容はうろ覚えで、解散したオケが風変わりなジイサン指揮者のもとで再結成されるという話ぐらいしか覚えていなかった。で、結論だが、大絶賛はできないものの、観て損はない映画である。なかでも、クラシックに携わっている人およびクラシック好きならば、いろいろな意味で楽しむことができるので、こうした人たちにはオススメである。

演出および映像はこれといって凝ったところはなくいたってオーソドックスだ。撮影もセットはなくすべてオールロケ。主舞台になる練習場は工場跡をそのままうまく利用している。少し脱線するが、演劇の世界では工場跡や倉庫跡に手作りで稽古場を作るのは当たり前。音楽の世界は防音設備があるちゃんとした場所で練習するのが羨ましい、と観ながら思ってしまった。(苦笑)

さて、キャスティングだが、主演の松坂桃李と指揮者の西田敏行は十二分な存在感を出している。松坂はヴァイオリンを1年稽古しただけのことはあって、それなりに様になっている。もっと様になっているのが西田だ。『のだめ』では竹中直人が指揮者役を怪演したが、青年座の先輩である西田の方が圧倒的に指揮者になりきっている。これは指揮指導の佐渡裕の功績によるものなのかもしれないが、西田がもっている音楽センスが半端でないということを感じざるをえなかった。できれば、一度本気で『運命』の第1楽章だけでも何処かのプロオケで振ってもらいたい。その他の出演者では第1ヴァイオリンの大石吾朗とヴィオラの古舘寛治が俊逸だった。特に大石は助演男優賞にノミネートされてもいいぐらいの素晴らしさだった。

ということで、お時間とお金に余裕のある方はぜひともご覧ください。

余談。鑑賞後、映画館を出てエレベーターで地上に降りると、目前に知人の映画監督が。どうやら監督も観に来たようなので「おもしろかったですよ」と答える。あとは監督の近作の話などを聞いて「今度飲みましょう」と言って別れた。事情があって今はおヒマらしいので、今月末か来月にでも一杯ひっかけながらいろいろとお話をしてみたい。

日曜日, 2月 01, 2015

パリーグは8球団にしよう

今日(2月1日)からプロ野球はキャンプインである。

さて、今年からプロ野球の交流戦が3連戦 × 6チームの18試合制になり、これまでの「交流戦優勝」を競う形式から「リーグ対抗戦」をクローズアップする形式となる。なんか中身のないチンケなものに成り下がった。こうなった理由は、ひとえに優勝がほとんどパリーグのチームであったことと、セリーグのチームにとってはそうした事実を隠蔽したかったという措置と言わざらるをえない。

こうなったら、交流戦などという概念を棄てて、今や実力も人気もセリーグを上回るパリーグは8球団にして、独自の新たなるリーグの地域活性化を試みに出るというのはいかだろうか。現在パリーグは札幌、仙台、所沢、千葉、大阪、福岡に球団があるので、できれば1つは静岡県と愛知県(静岡・浜松・名古屋)をフランチャイズとする球団を、そしてもう1つは愛媛県と香川県(松山・高松)をフランチャイズとする球団を新設してみてはどうだろうか。そして、プレイオフも現行のような変則的なものでなく、東地区と西地区の1位同士が戦う制度にすればいいと思う。

サッカーが地道にそして堅実にJ1やJ2のチームを増やしてきたのに、プロ野球は巨人(=読売)主導のもとでずっと保守的に12球団制を続けてきている。これではいつまでたっても進歩はなく、いずれはサッカーに完璧に凌駕されてしまうだろう。そうならないためにも、まずはパリーグは8球団制にチャレンジするべきである。そして、それが成功すればセリーグも南九州(熊本、宮崎、鹿児島)や信越(長野・新潟)に新たなる球団を作ればいい。