10年ぐらい前愛媛県の保内町(現在は八幡浜市の一部)に取材に行ったがある。
保内町は愛媛県西部の佐田岬半島のちょうど付け根みたいな位置にある。この町は明治時代には県内で一番最初に電気が敷かれたり、銀行が出来たりと文明開化の先端を担っていた。そのために、町内にはあちらこちらに昔ながらの古い建物が残り、隠れた観光地でもあるが、主な産業はミカンなどの柑橘類栽培で、町の丘陵は柑橘類の畑に覆われている。
そんな古風な町で人口が約1万人ほどしかいないのに、庁舎や公民館は信じられないほど立派であった。理由は簡単だった。原発交付金で出来たのである。保内町のすぐそばには四国電力伊方原原子力発電所がある。このおかげで、町は毎年多額の交付金をもらっている。そのために、道路や学校などは綺麗に整備されている。
ちなみに、昨年伊方原原発3号機のプルサーマル実施に伴い、国からの総額60億円の核燃料サイクル交付金が、県と伊方町に各26億7000万円、八幡浜市に6億6000万円が交付されていることが決まっている。
先日の菅首相による浜岡原発停止要請のとき、静岡県知事は歓迎すると表明したが、御前崎市長は興奮気味に憤りと戸惑いの表情をみせた。ところが、翌日、交付金はこれまで貰えるということが解るとニコニコ顔になっていた。
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