火曜日, 4月 06, 2010

桜餅 「長命寺」派 vs 「道明寺」派

花より団子ではないが、桜より桜餅の話。

恥ずかしながら、桜餅に関東風と関西風があるということを知ったのはつい数年前のことである。子供の頃から自宅で食べる桜餅は、餡を桜色の薄焼きにした皮で包み、その上に桜の葉が巻かれていたもので、これが桜餅だとずっと思っていた。しかし、これは関東風のもので別名「長命寺」といい、全国的には関西風の乾燥させた餅米を粗めに挽いて粉で餡を包む「道明寺」が主流である。

ただ、この長命寺 vs 道明寺の戦い(?)はちょっと複雑のようで関東地方、山梨県・長野県・静岡県および南東北は「長命寺」派のようで、島根県や鳥取県など山陰にも「長命寺」派の飛び地がある。これは出雲松江藩の第7代藩主・松平不昧(治郷)公が江戸から持ち込んだためと言われている。

これに対して、「道明寺」派は山陰の一部を除く中部地方以西すべてと、新潟県、北東北、北海道を制しているようである。新潟県、北東北および北海道が関西派なのは北前船の影響からであろう。ところが最近は流通もよくなったために、各地のスーパーで「長命寺」と「道明寺」が入り乱れて売られるようになっているとか。また桜餅の勢力分布図も変わりそうである。

ちなみに、東京では桜餅とは「長命寺」のことをさし、「道明寺」は「道明寺餅」というのが一般的である。

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