土曜日, 3月 05, 2016

美食日記「リューズ」(六本木)

先日92歳の誕生日を迎えた母親のお祝いを六本木にあるレストラン「リューズ」で行った。母親は六本木にあった府立第三高女および高等科に7年通っていた。昨年他界された料理記者の岸朝子さんは同級生。

さて、この日いただいたメニュー「MENU Degustation(メニュー・デギスタシオン)は下記の通り。(※ )内は母親用の特別メニュー。

・ズワイ蟹のエフェロッシェをラヴィオリ見立てに 春菊のクーリーソース
  (※ フランス産ホワイトアスパラガスのババロアとズワイ蟹のアンサンブル)
・徳島産アオリイカのソテーと白アスパラガス グアンチャーレを乗せて
・フランス産鴨フォアグラのソテーと新玉葱 柑橘のキャラメルソースで
・八丈島産金目鯛のポワレ フルーツトマトのソースとともに
・石黒農場のパンダード胸肉をフォルスとともにロースト 産直野菜を添えて
  (※ 仔牛ダンドロンのプレゼ 色彩々の野菜を添えて オリーブの香るソース)
・アヴァンデセール
・ブラッドオレンジの香るチーズスフレ 八朔をアクセントに
・食後の飲み物とミニャルディーズ

アミューズは豚肉のリエットとオリーブのマドレーヌ。そして、カリフラワーのスープ。飲み物は最初はグラスシャンパン(ボランジェ)をいただき、その後は料理にあったペアリングを頼む。母親はピノノワール(赤)を1杯だけ嗜む。

ここからコース料理の始まりだが、1番手はエフェロッシェ(ほぐされた)ズワイ蟹が白カブに挟まれて登場。ラヴィオリ見立てというよりは薄い白せんべい挟み(笑)という感じて見た目が楽しい。ズワイ蟹はとても新鮮で白カブに絶妙というより巧妙なマッチング。春菊のクーリーソースはしっかりした味。美味しいです。

 

2番手のアオリイカのソテーと白アスパラガスは海と陸の甘みがうまく溶け合っていて、形容が難しいが優しいというか妙々たる風味。

3番手の鴨フォアグラのソテーは、フォアグラが引き締まっていて全く脂っぽさを感じさせない。それでいて、ふんわりとした食感と味わいは口の中に無限に広がる。これまで数多くのフォグラを食べてきているが、このお店のフォアグラを食べずしてフォアグラを語るなかれというぐらい美味しい。

 

魚料理は八丈島産金目鯛のポワレ。肉厚の金目鯛がふっくらとポワレ(蒸し焼き)され、潮騒の香りと共に前品のフォアグラ同様に口の中に甘みのある世界を広げてくれる。素材をしっかりと活かしていて日本ならではのフランス料理という感じがする。サクッと食感の良いフィノッキオ(ウイキョウ)が良いアクセントにもなっている。

肉料理はパンダード(ホロホロ鳥)。その胸肉に野菜などをファルス(詰める)してロースとしたもの。パンダードはホロホロ鳥の専門農場産ということもあり、肉質はとても柔らかくクセはまったく感じられない。トッピングされた黒トリュフの香りと旬の野菜が旨味が引き立てくれる。フランス料理の真髄という料理だろうか。

 

デザートのアヴァンデセール、チーズスフレ、そしてミニャルディーズはそれぞれさほど甘くはなく私のような左党には嬉しい限り。そして、ここで特筆しなければならないのはバケット(パン)であろう。ルクセンブルクから輸入しているパンは酵母が違うのか小麦が違うのか何が違うのかよく解らないが本当に美味しい。お土産(1本350円)にもできる。

 

ペアリングは私は赤主体で相方は白主体にしてもらったが、そんななかでケンゾーエステートのあさつゆは素晴らしかった。ソムリエの話によると、このワインは2014年からソーヴィニヨンにセミヨンを少し加え、爽快感に満ちあふれた味わいにマスカットのような甘みをほんのり感じるとることができるようになったという。これには白が不得手の私も脱帽の美味しさだった。

最後に高齢者で歯が弱い母親のために特別メニューを用意してくれた飯塚隆太シェフに心より感謝したい。

リューズ
http://restaurant-ryuzu.com/

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