月曜日, 10月 02, 2006

「空白の5年間」だった小泉政権

 小泉政権は歴史に残る高い支持率と長期政権だったという。はたしてそうであろうか。私はサッカーの歴史でよく言われるジーコの「空白の4年間」と同様に、小泉政権はいずれ歴史上で「空白の5年間」と言われ、小泉純一郎は外見の見てくれの良さと滑舌の良さで国民を翼賛した政治家として後世に名が残るだろう。

 これまでにも無責任であったり無気力な総理大臣は何人かいた。どうみても器でない首相もいた。しかしである。小泉ほど責任のすり替えと詭弁を連発する首相はいなかった。こんな男にだまされるなんて、国民も情けないが、マスコミも情けない。特に田原総一朗や安藤優子といったテレビキャスターたちのちょうちんぶりは酷かった。

 小泉の歴史観の無さと経済音痴ぶりには言葉もでなかった。経済は「改革なくして成長なし」とお題目というか呪文を言うだけで、すべてを竹中平蔵らに丸投げした。で、結局彼らが作ったものは、ホリエモン、村上世彰、三木谷といったろくでもない「ネットと株の亡者」たちだけである。実際の経済を成長させたのはこんなバカどもではなく、トヨタをはじめとした有能な経営者たちのリーダーシップのもと、地道な活動をつづけてきた技術者や営業マンたちの努力のおかげである。決して政府や日銀といった官の努力ではない。民間の活力が今日の経済を復活させたのである。

 そして、靖国問題に端を発する歴史認識の問題は筆舌にたえない。小泉純一郎は韓国や中国の国民たちの声を聞いたことがあるのだろうか。首相を退任して暇になったのだから、ぜひとも韓国、中国に旅をして彼らがおよびその両親たちがどれだけ日本軍に酷い目にあったかを直接聞いてくるがいい。私は中国と東南アジアでいくらでも聞いた。それだけ、彼の歴史認識はかけ離れているのであり、無知といっても過言ではない。

 退任会見も相変わらずの責任のすり替えと詭弁の連発した小泉純一郎。次の安倍政権がどのような道を歩むかはまだ解らないが、少なくとも外交では世界に通用する歴史観を据えた上での政策を、経済では都市部だけでなく農村部を含めた包括的な政策を構えてもらいたい。安倍晋三は未来を見据えた現実を直視し、小泉純一郎は未来を据えた過去を勉強するべきである。

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