木曜日, 10月 07, 2010

球団より球場に問題があるだろう

TBSが横浜ベイスターズを身売りする方向で動いているようだ。と同時に、フランチャイズが横浜から新潟などへの移転することも取沙汰されている。私はパリーグ・ファンだが、この件については基本的に賛成である。

そもそも、TBSが2002年にマルハ(旧・大洋漁業)から140億円でチームを取得したのも、積極的な買収ではなかった。当初はニッポン放送に身売りされるはずだったのだが、ニッポン放送の系列であるフジテレビがヤクルトの球団株を所有していることから、野球協約にある複数球団支配に違反するということになり、結局、読売新聞の肝煎りでTBSへの移行が決まった。

TBSが球団を購入してから横浜ベイスターズは常に最下位争いに甘んじて、TBSは毎年20億円余の球団赤字を広告宣伝費という名目で補填しなければならかった。これではTBSが手放したくなるのも当たり前である。

そして、横浜からの移転に賛成な理由は、セリーグには首都圏に3チーム(巨人、ヤクルト、横浜)もあり、これでは名古屋にある中日、大阪にある阪神、広島にある広島と移動によるハンデがありすぎる。ここは横浜から、候補地に上がっている新潟、四国、南九州などに本拠地を移転して、首都圏チームとのハンデを少しでも解消すべきである。

横浜には“浜っ子”という共通認識はあるが、町全体としての地元意識は意外に希薄のように思える。川崎から横浜にチームが移転したのが今から32年前の1978年。球団名が地域密着を目指した横浜ベイスターズになったのが18年前の1992年。1998年に権藤博監督の下でリーグ優勝、日本一になったが、それで横浜に“おらがチーム”みたいな一体感が生まれたかというと、残念ながらそれはなかった。

仮にチームが横浜に残るとしても、最初に手をつけるべきは球団ではなく球場だろう。あの狭く魅力に乏しい横浜スタジアムを全面的に改装すべきである。そうでなければ、いくらチームが存続して、一時的にチームが強くなろうとも、球場に足を運んでくれる「新たなるファン」を開拓することはできないし、地域に根ざした球団作りも無理である。

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